情報処理学会
MPS 研究会
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| 目次 | |
|---|---|
| 概要 | |
| 1. | はじめに |
| 2. | 研究会講演発表 |
| 3. | PDPTA2000との共催 |
| 4. | シンポジウム |
| 5. | 情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」の編集発行 |
| 6. | 組織・運営 及び将来 |
| 7. | おわりに |
当研究会は, 問題の数理的把握とモデル化及びその有効な解決手法の開発に関する研究交流の場として, 1995年に誕生しました. 以来, コンピュータを用いた問題解決が求められる理工系・人文社会系の諸分野全体を対象とし, 活発な学際的研究会として成長してまいりました. 特に, 1999年からは情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」を編集発行し, それにより研究会・シンポジウムの発表, 申し込みも一層活性化されました. 2000年度には,国際会議との共催になる海外(Las Vegas)での研究会も開催いたしました. 今後, 論文誌の更なる充実・発展を期し, 研究会全体のより一層の国際化及び学際化を進め, 産・官・学の良き交流の場を確立してゆきたいと考えております.
社会や企業等における種々の複雑な実問題を解決するためには, 先ず,いかにしてそれを適切に定式化した数理モデルとして表現するかが, 重要な第一ステップとなります. そのモデル上で効率的な問題解決アルゴリズムを考案し, 実行・評価を行った上で, そのモデルの妥当性が検討され, 必要に応じてその改良が繰り返されます. ここで特に, 問題のモデル化・定式化は一般にきわめて難しく, しばしば「正しくモデル化ができれば,問題の9割は解けたようなもの」とも言われます. これまでにも, 情報システム学やオペレーションズ・リサーチなどにおいて, さまざまなモデルが提案され, 解決手法が考案されてきました. しかし, 現実の問題からどのようにモデルを作るのか, 良いモデル・解決手法とは何か,という最も根本的なことがらについて, 幅広く総合的に議論・交流する適切な場がなく, その必要性が強く認識されておりました.
その要請に答えるため, 当「数理モデル化と問題解決研究会(SIG Mathematical Modeling and Problem Solving : MPS)」が, 平成7年度(1995年度)に,中森眞理雄(農工大)主査, 白石洋一(群馬大), 伊達博(日立)両幹事の体制で発足しました. 以来, 特に「アルゴリズム研究会」, 「システム評価研究グループ」, 及び電子情報通信学会「コンピュテーション研究会」とは密接な連携関係を持ちながら, 後記の様に研究会,シンポジウムの開催, 論文誌の編集発行を行って発展を続け, 今日に至っております. 現研究会体制は, 主査のほか, 秋山 泰(電総研), 城 和貴(奈良女大),古瀬慶博(三菱スペースソフト), 三木光範(同志社大)の幹事, 白石洋一(群馬大)論文誌編集委員長以下の編集委員と, 運営委員, 並びにMPS独自の委員などが中心となって運営を進めております.
平成7年5月開催の第1回MPS研究会より, 当初は数理モデルや解決アルゴリズムそのものに関する研究発表が多く行われました. それが,回を重ねるごとに,それらの応用に関する研究発表が増加してきました. 以下, 過去6年間の研究発表内容を分野ごとに示します.
| 平成7年度 | 平成8年度 | 平成9年度 | 平成10年度 | 平成11年度 | 平成12年度 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| <数理モデル化全般> | 14 | 11 | 10 | 10 | 5(**) | 10 |
| 新しいモデルの提案 | 4 | 3 | 7 | 6 | 2 | 4 |
| モデルの改良 | 9 | 5 | 1 | 4 | 3 | 6 |
| その他 | 1 | 3 | 2 | - | 0 | 0 |
| <数理モデル応用> | 19 | 21 | 31 | 38 | 44(@) | 61 |
| 回路 / VLSI | 5 | 2 | 2 | 0 | 1 | 1 |
| スケジューリング | 3 | 1 | 2 | 2 | 1 | 2 |
| 流通・トラフィック | 3 | 4 | 7 | 4 | 1 | 3 |
| 通信・制御 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 |
| 並列分散処理 | 6 | 3 | 2 | 5 | 7 | 7 |
| 工学・物理解析 | 2 | 2 | 0 | 2 | 1 | 2 |
| ゲノム | 0 | 3 | 1 | 9 | 5 | 3 |
| ニューラルネット・人工生命等 | 0 | 2 | 5 | 10 | 10 | 14 |
| ゲーム工学・理論 | 0 | 0 | 6 | 0(*) | 0 | 1 |
| ソフトウェア工学 | 0 | 0 | 0 | 5 | 2 | 3 |
| プログラム理論 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 | 2 |
| 経営工学 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 |
| 画像・パターン認識 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 6 |
| マルチメディア | - | - | - | - | - | 9 |
| その他 | 0 | 4 | 6 | 1 | 0 | 2(@@) |
| <その他> | 1 | 4 | 1 | 2 | 0 | 0 |
| (*) | シンポジウムで9件 |
| (**) | シンポジウムで5件(ポスター含む) |
| (@) | シンポジウムで21件(ポスター含む) |
| (@@) | シンポジウムで21件(ポスター含む) |
上記表より分かります様に, 平成7年度は数理モデル化そのものに関する発表件数に対して, 数理モデル化応用に関する発表件数にさほどの差異はありません. これが,平成8年度は2倍, 9年度は3倍, 10年度は4倍, 11年度は9倍,12年度は6倍になっております. 数理モデル化全般に関する発表件数は, 平成8年度,9年度,10年度と一定しており, 11年度には半分に落ち込んだものの,12年度には再び10件になりました. これに対して, 数理モデル化応用は件数自体の増大もさることながら, 対象分野の広がりに目覚しいものがあります.
対象分野が拡大した一つの理由には, 8年度第10回研究会での『人工生命(AL)特集』と9年度『人工生命』シンポジウム, 9年度第18回研究会での『ゲームとモデル化特集』などにより, 本研究会が新しい研究分野を積極的に取り込んでいるところにあります. また, 11年度『問題発見とモデル化』シンポジウムでは, 数理モデル化応用に関する発表が20件以上ありました. さらに,12年度には『新しい計算パラダイム』 として, 最近注目を浴びている量子ならびにDNA計算に関する発表が20件以上ありました.
研究会ごとの平均発表数も, 平成7年度では5.6件でしたが,8年度では6.0件, 9年度は7.0件(以上,年6回開催), 10年度では10.0件, 11年度では10.8件(以上,年5回開催)に急増しております.
このような状況を踏まえて, 本研究会の対象とする分野は, 数理モデル化全般と同応用に大別され, 後者に関しては
平成12年度(2000年)第2回目開催に当たる6月の研究会は, 初回から数えて30回目となりました. そこでこれを記念して,第30回のMPS研究会は, 米国 Las Vegasおいて, The 2000 International Conference on Parallel and Distributed Processing Techniques and Applications (PDPTA2000) のテクニカル・セッション "Mathematical Modeling and Problem Solving" と共催で開催されました.
投稿された論文は,実行委員会によってフル・ペーパー査読を行い, 採録された論文は, PDPTA2000のプロシーディングスにもフル・ペーパーもしくはショート・ペーパーとして 掲載されました. これを機会に,今後国際交流を深め,研究会の国際化を進めて行きたいと考えております.
当研究会では,定例研究会開催の他に, 毎年度,以下の様にシンポジウムを開催し, より深い議論・交流の場を提供してきております.
上記の研究会活動を基礎として, 当研究会では独自に情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」 (Transactions on Mathematical Modeling and Its Applications : TOM)を編集することになり, 平成11年2月にその第1号(Vol.40, No.SIG 2 (TOM 1)), 平成11年12月に第2号(Vol.40, No.SIG 9 (TOM 2))を発行いたしました. これは,既存の情報処理学会論文誌とは別に, 研究会を主体として編集される論文誌を通じて多様な価値を創造し, 情報科学の新たな発展を図ろうとする,情報処理学会の改革の趣旨を, いち早く実現化したものであります.
この様にしてスタートした論文誌は,内容的に興味深く, 質的にも既存の基幹論文誌に勝るとも劣らない論文の集まりとなっている, と幸いにも非常に好評をいただいております.
本論文誌の最大の特長の一つは,その対応の迅速性にあり, よく磨き上げられた優れた投稿論文であれば, 投稿から1ヶ月足らずで採録決定にまで至ることも可能です. これは, 白石編集長以下の編集委員, 査読者の方々の並々ならぬ用意周到な準備の下での任務遂行の努力によって初めて可能となっているものです. なお,論文誌発行を機に,当研究会活動全体が非常に活発になったことも大きな成果です.
本論文誌では,MPS研究会登録者でない方, 情報処理学会会員でない方の投稿も, 日本語,英語版のどちらでも受け付けます. なお,事例紹介や問題提起に重点をおいた論文,誌上討論などについても, 出来る限り多様な形を認めて取り上げる態勢を早急に整えるべく検討を続けております.
論文誌「数理モデル化と応用」の査読においては,既存論文誌の基準の他, 次の様な点も考慮に入れます.たとえば,
なお,論文誌「数理モデル化と応用」への投稿論文は, MPS研究会あるいはシンポジウムにおいて, 少なくとも一度は研究発表がなされた内容であればよいものとします. これは,本論文誌における当初の投稿規程を大幅に柔軟にしたもので, これにより,より多くの機会を選んで, 十分な検討が反映された論文が一層多数投稿されることを期待しております.
論文誌発足当初から平成11年9月研究会発表までの投稿論文の採否は全て最終決定しており, それまで延べの論文採択率=採録論文件数 / 投稿論文件数=29/51 = 0.57で, これは既存の情報処理学会論文誌とほぼ同じ水準です. 本論文誌に関し,編集委員会では,より一層の充実を目指して電子メール等での議論を常時続け, それを速やかに編集方針に反映しております. 論文誌の詳細・最新の情報については, 是非論文誌ホームページを参照下さい.
上記活動は関係委員諸氏の精力的貢献に直接的に支えられております. しかし,情報処理学会規定による委員だけではどうしても対処しきれないこともあります. 従って平成11年度より,当MPS研究会独自の委員として,副主査,副幹事, 協力委員制度を設け, これらの委員の方々も積極的に研究会の主要任務に当り, 研究会活動の一層の充実と展開に寄与していただいております. また,シンポジウム等の事業毎にも積極的に実行委員の参加を募って実行を進めております. これから将来,更に各方面から柔軟に積極的・実質的参加を得, これら全体を合わせ,MPS研究会活動が,産・官・学および国際間の直接的学際的交流の場として積極的に活かされ, 多くの実りが上げられることを期待しております.
なお,当論文誌はほぼ軌道に乗ってきたと言ってよい段階ですが, 論文誌編集委員会もより一層強化充実してゆきたいと考えております. ここで,従来の情報処理学会論文誌の他に研究会を主体とした論文誌を強化してゆくことは, 学会全体の方針でもあるので,他研究会からのご要望があれば, これまでの経験を活かして,出来る限りの協力・協調を惜しまず, 学会全体の進展に寄与出来れば幸いです.
誕生後まだそれほど歴史を重ねてはおりませんが, 研究会活動が非常に活発となっているのは, 一に論文誌の編集発行に負うところが大です. 今後,論文誌を中心にして研究会の着実な発展を期したいと考えております. 最後に,当研究会に対して多大のご尽力を賜りました研究会内外の関係諸氏に 厚く御礼申し上げますとともに,今後共暖かくご支援・ご指導をいただけます様, よろしくお願いいたします.
最終更新日 : 平成13年2月5日 by Makoto Ando